東京高等裁判所 昭和34年(ネ)1445号 判決
労働組合法第二十七条は、勤労者の団結権および団体行動権を保障する日本国憲法第二十八条の規定の趣旨を達成するため、使用者に労働組合法第七条所定の行為があつたときは、これを不当労働行為として、これにより団結権または団体行動権を侵害された労働者もしくは労働組合が、労働委員会に行政上の救済を求め得べきことを規定したものである。右救済申立人の主張する不当労働行為が存する場合には、労働委員会は必ずなんらかの救済を与えなければならない責務を法律上負担しているものであつて、労働者もしくは労働組合が右の救済を申し立てることは、その利益として法律上保障されているものと解すべきであり、単なる反射的利益に止まるものと解すべきではない。それゆえ、不当労働行為が存するにかかわらずこれが救済を拒否されたとする申立人は、労働委員会のした右救済の拒否すなわち申立棄却ないしは却下の命令を取消の対象たる行政処分として抗告訴訟を提起し得るものというべきである。労働組合法第二十七条殊にその第六項および第十一項の規定に前記の解釈と相容れないものではなく、被控訴人の本案前の抗弁は採用できない。
(原 山下 多田)